乳がんについて
乳がんについて

乳がんは、乳房の中にある乳腺組織(母乳を作る乳腺葉と、母乳を乳頭へ運ぶ乳管)に発生する悪性腫瘍です。初期は乳管や乳腺葉の中で増殖しますが、この段階を「非浸潤性乳がん」と呼びます。進行すると乳管や小葉の壁を破り、周囲の組織へ広がる「浸潤性乳がん」へと進行し、やがてリンパ節や他の臓器へ転移することもあります。
日本では女性がかかるがんの中で最も多いがんであり、現在は9人に1人が一生のうちに乳がんと診断されるといわれています。特に40〜50歳代の女性に多く見られますが、20代の若い方や80歳を超える高齢の方にも発症する可能性があります。
毎年約9万人近い方が新たに診断されており、乳がんは決して珍しい病気ではありません。
乳がんは早期発見と早期治療により治療成績が大きく変わります。しこりや皮膚のひきつれ、乳頭からの分泌物などの自覚症状がある場合はもちろん、普段とは違うといった「違和感」がある場合や無症状でも定期的な検診を受けることが非常に重要です。
乳がんは乳房に発生するため、初期の段階では乳房のしこりや皮膚のくぼみ、見た目の左右差、乳頭からの分泌物などの症状が現れます。
進行すると、乳房全体が硬くなったり、皮膚に赤みや腫れが生じることもあります。
また、がんの広がりによって乳房の形状が変化する場合もあり、日常生活だけでなく心理的な負担にもつながります。
乳がんは早期の段階から脇の下(腋窩リンパ節)に転移しやすい特徴があります。
リンパ節への転移が進むと、リンパの流れが滞り、腕や肩のむくみ(リンパ浮腫)が起こることがあります。
リンパ浮腫は腕が重く感じる、しびれる、動かしにくいなど、生活の質を下げる症状を引き起こすため、早期発見と予防的ケアが重要です。
乳がんが進行すると、血液やリンパの流れを通じて肝臓・肺・骨・脳など他の臓器に転移することがあります。
転移先によって症状は異なり、以下のような影響が現れることがあります。
これらの症状は、乳がんが進行してから初めて現れることも多いため、定期的な画像検査による確認が不可欠です。
乳がんは女性にとって大切な乳房に関わる疾患であるため、診断を受けること自体が大きな精神的ショックとなります。
また、治療に伴う乳房切除や外見の変化は、自己イメージや生活への影響が大きく、うつ症状や不安障害につながることもあります。
当院では、治療だけでなく患者様の心に寄り添うことで、納得していただき、安心して治療に向き合えるような診療を心がけております。
乳がんはすべての女性に発症する可能性がありますが、特に以下の条件に当てはまる方は注意が必要です。
これらはあくまでもリスク要因であり、必ず乳がんになるというわけではありません。しかし、複数当てはまる場合は乳がん発症リスクが高まるため、定期的な乳がん検診や医師によるチェックが推奨されます。
乳がんの一部は遺伝性によるものと考えられています。特に有名なのが、BRCA1やBRCA2といった乳がん感受性遺伝子の変異です。
この遺伝子に変異があると、乳がんや卵巣がんを発症するリスクが通常より高くなります。
以下のような方は、遺伝性乳がんの可能性が高いとされています。
鶴見はまかぜクリニックでは、乳腺外科を専門とする医師が診療を行っています。
乳房のしこり、痛み、分泌物などの症状がある方はもちろん、健診で再検査を勧められた方、婦人科や他院から紹介を受けた方も安心してご相談ください。
診療では以下の流れで対応いたします。
診療では以下の流れで対応いたします。
問診・視触診
気になる症状や生活習慣、家族歴を詳しくお伺いし、視診・触診を行います。
画像検査(マンモグラフィ・超音波)
乳腺の状態を詳しく確認するため、マンモグラフィ検査や乳腺超音波検査を実施します。
結果説明(当日対応)
マンモグラフィ検査と乳腺超音波検査は当日中に結果を医師が丁寧に説明いたします。
もし異常が疑われる場合は、細胞診や針生検など精密検査を後日追加し、早期発見につなげます。
必要に応じた治療・連携
手術や高度治療が必要な場合は、地域の基幹病院とスムーズに連携します。
乳がん術後
手術後も転移や再発予防のための治療や経過観察を行います。
乳がんは無症状の段階で発見することが何より重要です。
当院では横浜市乳がん検診と自費の乳がん検診(乳腺ドック)を実施しており、症状がない方でも気軽に受診いただけます。
対象となる年齢や助成を利用して、費用を抑えて検診を受けることができます。
マンモグラフィや視触診など、希望に合わせて選択可能です。
年齢や家族歴、リスクに応じてマンモグラフィと超音波を組み合わせ、より詳しく検査します。初めての方やより精密な検査をご希望の方にも適しています。
乳がんの治療は、がんの進行度(ステージ)、がんの大きさ、リンパ節への転移の有無、ホルモン受容体やHER2の有無など、がんの性質をもとに決定されます。患者様の年齢やライフスタイル、妊娠・授乳の希望なども考慮し、一人ひとりに適した治療を組み合わせて行われます。
当院で乳がんと診断された場合は、速やかに、連携病院もしくは患者様のご希望の病院へご紹介いたします。
乳がん治療の中心となる方法で、がんがある乳房の組織を取り除く治療です。手術には大きく分けて以下の2種類があります。
がんとその周囲の乳腺を部分的に切除する手術です。乳房を残すことができるため、術後の見た目への影響を最小限に抑えられます。手術後には再発予防として放射線治療を組み合わせるのが一般的です。
乳房を広い範囲で切除する方法で、がんの位置や大きさが広範囲に及ぶ場合や、複数の病変がある場合に選択されます。乳房をすべて摘出する必要がある場合は、人工乳房や自家組織(自己の筋肉や脂肪)を使って、乳房を再建する方法もあります。
手術はがんを確実に取り除くための重要な治療であり、患者様の希望や病状に応じて最適な方法が選択されます。
薬を用いてがん細胞の増殖や転移を抑える治療です。がんの性質に応じて、使用する薬剤や治療法が決定されます。手術前に行うことで腫瘍を小さくしてから手術を行う「術前薬物療法」や、手術後の再発を予防する「術後薬物療法」として行われます。
乳がんのタイプや進行度に応じて選択される治療です。がん細胞を攻撃し、再発や転移を防ぐ効果があります。副作用として脱毛や吐き気、倦怠感などがありますが、近年は副作用を軽減する薬の併用が進んでいます。
女性ホルモン(エストロゲン)を利用して増殖するタイプの乳がんに対して行われます。ホルモンの作用を抑える薬を用いることで、がんの成長を抑制し、再発を防ぎます。比較的副作用が少なく、長期間にわたり内服を続ける場合が多い治療法です。
HER2というたんぱく質が過剰に発現している乳がんに使用される治療薬です。がん細胞だけを狙って攻撃するため、体への負担を少なくしながら効果的に治療が行えます。
薬物療法は、手術と並んで乳がん治療に欠かせない重要な治療法であり、患者様ごとに適した組み合わせを選択します。
放射線を用いてがん細胞を死滅させる治療法です。乳房部分切除術を行った後には、残っている可能性のあるがん細胞を消滅させる目的で放射線治療が組み合わされることが一般的です。
また、手術が困難な場合や局所再発時の治療としても用いられます。
治療は通常、数週間にわたり通院で行い、痛みはほとんどありませんが、皮膚の赤みや疲労感といった副作用が出ることがあります。
もし当院で乳がんと診断された場合、患者様が安心して治療を受けられるよう地域の基幹病院や専門医療機関と連携いたします。
乳がんは早期に治療を開始するほど良好な結果が期待できます
少しでも「おかしいな」と感じたら、自己判断せず、早めに当院の乳腺外科へご相談ください。
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