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乳がんの術後の経過観察について

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乳がんの術後の経過観察について乳がんの術後の経過観察について

乳がんの経過観察の期間

がんの治療は、診断をして手術したところで終わるわけではありません。その後一定期間の通院・経過観察が必要です。

乳がんの治療は手術で病変を取り除いても、その後の転移や再発予防のための治療が必要です。化学療法であれば3~6ヶ月ほど、ホルモン療法であれば5~10年かけて行っていきます。また、術後に放射線治療を短期間実施することもあります。

このように乳がんはとても長期間の投薬や経過観察が必要な病気です。また10年以上経過してから再発するケースも少なくないです。手術した方と反対の乳房の新たな乳がんの発生することもあり、注意が必要です。

経過観察の検査の種類とタイミングなど

当院では、患者さまの状態によりますが、原則1年に1回のマンモグラフィ、3~6ヶ月毎の超音波検査(乳腺や腹部超音波)、腫瘍マーカーを含む採血を行い、定期的なフォローアップを行っています。
乳腺の超音波に加えて、腹部超音波検査も当院では経過観察に組み込んでおります。
なぜ、腹部超音波検査と思われるかもしれませんが、乳がんの転移先として多い臓器の一つが肝臓です。症状や検査数値の変化も出にくい臓器ですので、当院では年1回腹部超音波検査を行い、フォローアップにつとめております。

手術から5年以上再発や転移なく経過した患者さまは、検査は1年に1回、マンモグラフィ、超音波検査、血液検査としております。

PET検査やCT検査、MRI検査は?

PET(Positron Emission Tomography「陽電子放出断層撮影」)やCT・MRI検査は再発が疑われた場合に行うようにしております。それは被曝の問題もありますし、再発症状が認められてからPETやCTを行っても予後が変わらないというデータがあるからです。
しかし、患者さまからご希望があれば提携施設等で検査を受けてもらい、結果を当院でお伝えするようにしております。

当院で行う術後の治療

当院では、術後の治療としてホルモン療法(術後内分泌療法)を中心に行っております。
ホルモン療法と一口に言っても、閉経前の方と閉経後の患者さんでは使う種類も異なります。また5~10年といった長期間の内服が必要なります。注射によるホルモン療法もあります。閉経前の方はタモキシフェンという薬剤、閉経後の方は主にアロマターゼ阻害剤という種類の薬剤の内服が必要になります。
副作用もhot flashといわれるようなのぼせの症状や、関節痛などが出る場合もありますので、副作用の状況を確認しつつ、内服薬の調整も行います。
内服状況が安定するまでは、できるだけ1か月ごとの処方を行いつつ、通院で皆様の様子を診させてもらっております。安定したら投薬期間を長くするようにしております。

なお、抗がん剤治療は行っておりませんが、抗がん剤治療が必要な場合には、連携病院などで治療を受けてもらうようにしております。

当院での取り組み

当院では、乳がん術後の経過観察に積極的に取り組んでおります。
当院では乳がんを診断したら、連携病院へ紹介させていただき、当院で出来ないような、手術加療や抗がん剤治療、放射線治療などが終了してからの、通院経過観察を行い、術前から術後まで皆様に安心してもらえる丁寧な診療を行っております。

また、他院で診断されて手術を終了した方も対象に、広く術後患者さんを受け入れております。術後からのお付き合いになるような患者様にも、同様に丁寧な診療を心がけております。

大きな病院への通院より気軽に通院できるクリニックをお探しの方、遠方より引っ越ししてきて通院先をお探しの方、通院しやすく適切な経過観察を行えるような施設をお探しの方なども、当院が皆様のお力になれるよう診療につとめております。

クリニックの規模や性質上、転移や再発のある方の経過観察・加療は受け入れ困難ですが、転移や再発を見つけたり、疑ったりした場合は、乳腺専門医のいる施設と連携しながら、適切に紹介など行っております。

当院では、乳腺専門医のいる拠点病院などと連携して、乳がん術後の患者さまの経過観察を行っています。長期の経過観察が必要な疾患なので、普段はいつも通りの生活を送りながら、気軽に安心して受診していただけるような診療を心がけております。