乳がん検診の目的は、乳がんを自覚症状のない状態で、より早期の段階で発見・診断することです。
症状がない状態で診断された乳がんは、より早期である可能性が高く、当然ながらその段階で適切な治療を受ければ良好な予後が期待できます。
検診は人間ドックなどと同様に自費診療となりますが、検査の結果で異常が見つかった場合は、その後の受診からは保険診療の扱いとなります。
自己検診が有効なこともありますが、自覚症状があってから検査を受けるのではなく、年に1回専門医による精度の高いケアを受けることが重要です。
当院では、症状がない方に乳腺ドック(自費)や、横浜市乳がん検診をおすすめしております。
※しこりや痛み、違和感など自覚症状のある方は、保険診療となりますので、通常の診察をご予約ください。
乳がん検診ですが、乳腺疾患の診断には、視触診、マンモグラフィ、乳腺超音波検査の3つが基本となります。
マンモグラフィでは確認できないような腫瘤病変を、乳腺超音波検査で発見することもありますし、逆に、石灰化のように超音波検査で確認できないような、ごく早期の乳がん所見がマンモグラフィで発見されることもあります。ですから、乳がん検診を受ける際には、マンモグラフィと乳腺超音波検査の2種類の検査を同時に受けることをおすすめいたします。
ただし、授乳中、妊娠中、卒乳から半年以内、人工物による豊胸術を受けた場合は、エコーのみの検査での判定となります。
当院での検診の流れを以下の図に示します。
当院では、受診された方々には画像検査は、その画像をお見せして当日結果を説明しております。
図で示したように、当クリニックでは、検診を受けていただいた場合は、その結果に応じてその後の方針をお伝えいたします。検査当日に検査結果に応じて、次の精密検査に進んだり、次回の経過観察の日程も説明することができます。検査を受けたその日に結果を説明し、次の方針を決めることができますので、受診された皆様の再受診の負担がなくなります。
さらに精査が必要な所見があった場合は、保険適応に切り替えることもできます。
検診を受けることも大切ですが、「乳房の自己触診」を行い、セルフチェックを行い、日ごろから自分の乳房の状態に関心を持ち意識して生活することが大切です。
これを「ブレスト・アウェアネス」と言います。直訳すると「乳房(胸)を意識したり気付いたりすること」という意味です。
ブレスト・アウェアネスは乳がんの早期発見・早期診断・早期治療につながります。女性にとって、ご自身の身を守るためにとても重要な生活習慣といえます。
乳がん検診を受けて安心するだけでなく、普段から自分の乳腺の状態に気をつけておくことをおすすめいたします。
乳房の検査
マンモグラフィ検査
乳房X線撮影のことで医師の触診や自己触診では発見できないしこりや石灰化のある小さな乳がんの発見に適しています。乳房をできるだけ多くはさみ、薄く広げて撮影します。
マンモグラフィは乳がんの早期発見に高い効果があることが示されており、放射線被ばく量も比較的少ないためメリットが大きい検査です。画像の読影は、日本乳がん検診精度管理中央機構による読影認定医師で、豊富な読影経験がある当院院長が行いますので、ご安心ください。
乳腺超音波検査
超音波診断装置を用いてゼリーを乳房に塗り、その上から乳腺専用のプローブを軽く押さえ滑らせながら、医師の触診や自己触診では発見できないしこり(腫瘤)を見つけることも可能です。当院ではフルデジタルの超音波装置を用いており形状や内部構造など、乳がんの診断に必要な詳細な観察を行うことができます。
乳腺超音波検査では乳腺内の腫瘍とその大きさや内部構造、乳管内病変の有無などを確認できます。放射線による被爆がなく授乳中や妊娠中の方にも安全に行える検査です。特に20〜30歳代の若い女性は乳腺が発達し高濃度な乳腺となっているので、マンモグラフィでは病変がみつけにくく、超音波による検査の方が有効な場合があります。ただし、石灰化病変の発見にはマンモグラフィが有効です。それぞれの検査には一長一短がありますので、どちらか一方で充分とはいえません。経過観察を行うなかで、個々に有益な検査をおすすめする場合もあります。
視触診
症状のない方を対象にした「乳がん検診」の場合においては、「厚生労働省のがん検診部会」が「乳がん検診における視触診を推奨しない」という方針を示しております。
当院では、自費検診は原則的に視触診は実施しませんが、ご希望により追加することもできます。
検診費用について
乳腺ドック(自費)
- マンモグラフィ+乳腺超音波検査コース11000円(税込)
- マンモグラフィコース6000円(税込)
- 乳腺超音波検査コース6000円(税込)
- ※視触診はご希望により追加することができます。(料金は変わりません)
結果について
当院では乳腺ドックの結果に関しては、院長が画像読影を行うため検査当日に結果をお伝えいたします。