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院長コラム

Column

第4回「胃カメラ検査&ピロリ菌」


ようやく長い冬が終わり、春の訪れを感じられるようになりましたね。
前回は乳腺シリーズが3回ありましたが、当院が乳腺外科とあわせて標榜している「胃カメラ」や「ピロリ菌」の話題をお話します。

皆さま、胃カメラにはどのようなイメージをお持ちでしょうか?
苦しい、辛いといったイメージはありませんか?
私もかつて、口からのみこむ胃カメラを受けたことがあります。職務の合間に受けないといけなかったので、鎮静剤(胃カメラを楽に受けられる注射)無しで検査を受けました。かなり辛かったのを覚えています。

かつては、胃カメラ検査は口から行うもので、施術者の技量の差も求められるので、つらい印象もありましたが、最近では鼻から挿入する胃カメラ検査が普及してきております。

経鼻内視鏡検査(鼻から挿入する胃カメラ)

当院では、苦痛の少ない胃カメラ検査を目指して、経鼻内視鏡検査を導入しております。

内視鏡の太さ:経鼻内視鏡の直径は5~6mmであり、経口内視鏡(8~9㎜)より細くなっております。(一般的な鉛筆の太さは約7㎜ですので、それより細いことがわかります)

経鼻内視鏡のメリット

  • 経鼻内視鏡は、スコープが舌根部に触れないため、嘔吐反射が少いです。
    さらに径が細いため、異物感が少なく、挿入時の苦痛も少なめです。
  • 口からの呼吸も可能なので息苦しさも少ないです。
  • 検査中に会話することもできますので、辛さや怖さが少ないです。
  • 苦痛は少なめなので、鎮静剤を使用せずに検査ができるので、検査後すぐに帰宅できまますし、乗り物を運転したり、お仕事もできます。

経鼻内視鏡検査は、ポリープを切除する、内視鏡で胃がんを切除するなど大がかりな処置には適していませんが、
検診や症状の精査などで、通常に観察し病理検査(生検)を行うのには特に問題はありません。

当院では、横浜市胃がん検診(内視鏡検診)や自費検診や、症状のある方への胃カメラ検査も行っています。必要に応じて病理検査やピロリ菌の検査も行い、画像検査に関しては当日ご説明するようにしております。
胃カメラ検査をご希望される方は、お気軽にご相談ください。
なお、横浜市胃がん検診(内視鏡)は、50歳以上が対象で、令和2年度(2021年3月31日まで)は、昭和46年(1971年)4月1日以前に生まれた方が対象となります。

ヘリコバクターピロリ菌

ピロリ菌の感染について(感染とその経過)

感染者の多くは小児期にピロリ菌に感染します。その後、幼少期に感染したピロリ菌は、生涯胃の中に住み続けます。やがて、ピロリ菌が発するアンモニアや毒素などにより、胃粘膜が炎症(ピロリ菌胃炎)を生じてきます。こうして何年もかけて慢性胃炎へ進行し、胃粘膜の防御機能が低下し、やがて胃粘膜の障害、萎縮、腸上皮化生などの変化が発生し、消化性潰瘍や胃癌などさまざまな疾患が引き起こされると考えられています。

ピロリ菌と胃がん・胃潰瘍

2001年の統計ですが、ピロリ菌感染者の胃癌発症率は2.9%との報告があります。
また、胃潰瘍・十二指腸潰瘍患者さんの90%がピロリ菌保持者であったという報告もあります。
このように、ヘリコバクターピロリ菌の感染は胃がんや胃潰瘍の発症に深く関係しています。

日本人でピロリ菌に感染しているのは、およそ6000万人で50歳以上に多いとされています。
ただし、衛生環境が整ったので、今後は減少すると考えられています。

ピロリ菌の除菌

このようにピロリ菌は胃がんや胃潰瘍の発症と大きく関わっています。これらの疾患はピロリ菌を除菌することで、その発症リスクを下げることができます。除菌療法は決められた胃薬と抗生剤を1週間内服する治療法です。

除菌療法を開始するにあたり、必ず胃カメラを受けて、胃がんが発症していないか確認しておく必要があります。すでに胃がんが発症していたら、除菌をしても胃がんを治すことができません。
そのために、胃カメラによる検査を必ず受けてください。胃カメラを行い、悪性疾患が無いことを確認したら、除菌療法を開始します。
除菌療法では1週間継続して内服しますが、この際、忘れずに毎日朝食後、夕食後に内服することが重要です。途中で止めてしまうと除菌に失敗しやすいので継続して内服することが大切です。

1回目の除菌で失敗した場合は、2次除菌まで保険で実施できます。なお、1次除菌成功率80~90%で2次除菌成功率90%です。

しっかりと内服することが大切で、除菌の失敗は耐性菌を生じる原因になります。
除菌中は禁煙を守ってください。喫煙は除菌成功率を低下させます。
さらに2次除菌中はアルコールもお控えください。

当院では、経鼻内視鏡検査を行い、その際にヘリコバクターピロリの感染を疑った場合、抗体の採血検査なども行うことができます。
ヘリコバクター感染が確認された方には、除菌療法を行っております。
除菌後の確認には呼気テスト検査による判定を行っております。

ヘリコバクター感染がご心配の方も、当院にお気軽にご相談ください。

山上 良院長
記事監修
院長 山上 良

大阪市立大学医学部卒業。
日本外科学会専門医、日本乳癌学会乳腺専門医、乳がん検診マンモグラフィ読影認定医、乳がん検診超音波検査実施・判定医、日本癌治療認定医機構癌治療認定医。

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