まだまだ、寒い日が続きますね。春の訪れまで、あと少しです。体調に気をつけて冬を乗り切りましょう。
今回は、横浜市乳がん検診に関して少しお話します。
横浜市乳がん検診は40歳以上の女性が対象です。令和2年(2020年)度の横浜市検診の期限は、令和3年(2021年)3月31日となっています。あと2か月ほどです。
対象は、昭和56年(1981年)4月1日より以前に生まれた方が対象です。満40歳になっていなくても、期限内に40歳に誕生日を迎えるかたも対象となっております。(満39歳の方でも受診対象となる方もおられます。)
自己負担額の詳細は、当クリニックのホームページ(横浜市乳がん検診)の項目をご参照ください。(一例ですが、視触診+マンモグラフィ検査なら1370円です。)
ただし、2年に1度の受診なので、2年以内に横浜市乳がん検診を受診されている方は対象外となりますのでご注意ください。
横浜市の乳がん検診の
精度はどう?
皆さまが、乳がん検診を受けるときに、自治体の検診を受けるか、人間ドックの健診を受けるかで迷うこともあるかと思います。自治体の乳がん検診には、人間ドックの健診より安いから、本当に判定の精度が大丈夫だろうかと心配していませんか?
しかし、比較的安価な横浜市乳がん検診ですが、精度管理(読影能力の質)はしっかりしていますので、ご安心ください。
まず、皆さんが当クリニックで横浜市の乳がん検診を受けますと、1次読影を私が行います。その後、マンモグラフィの画像と検査結果表は横浜市の医師会に送付され、そこで、1次読影の医師とは別の医師が2次読影を行います。
横浜市乳がん検診の2次読影は、日本乳がん検診精度管理中央機構(精中機構)の講習と試験を受けて、充分な読影能力があると認定された医師たちにより実施されています。このように2重に読影することで、横浜市乳がん検診によるマンモグラフィ判定はかなり精度が高いものとなっています。
1次読影と2次読影で異なる判定となった場合は、合議と言って複数の医師で再確認を行います。
こうして、マンモグラフィ読影の精度を高めるようにしています。ちなみに、私も2次読影に協力し、他院のマンモグラフィの所見を判定しております。
マンモグラフィの限界
とはいうものの、マンモグラフィの読影にも限界があります。
図のように「不均一高濃度」や「極めて高濃度」と表現される乳腺では、乳腺全体が白っぽく映ります。腫瘤所見も白っぽく映りこみますので、画像が重なると発見できないこともあります。
- 不均一高濃度
- 極めて高濃度
かつて、乳腺の濃度が高く、白っぽく映るからマンモグラフィが向いていないと言われた方もおられるかもしれません。そのような場合は、超音波検査の併用をお勧めしております。
ただし、超音波検査がマンモグラフィ検査より優れているという訳ではありません。マンモグラフィでしか見つけられない、石灰化を伴う早期乳癌などもありますので、両方の検査を受けるほうが、より見落としを減らすことにつながると考えます。
まとめ
乳がんは早期に発見できれば、治癒率が高い疾患です。症状が無い時から定期的に検診を受けて、早期に発見することが大事です。
横浜市乳がん検診は、皆様が受けやすい料金で、精度の高い検診を提供しております。コロナ禍で自粛も必要なこともありますが、その間にガンなどの疾患の進行は自粛してくれません。皆様も、ご自身の健康を守ためにこの制度を大いに活用してください。
当クリニックでは、大きな病院に比べて、比較的短時間で待ち時間が少なくお帰りいただけます。また、新型コロナウイルス感染予防対策も強化しておりますので、安心してお越しください。
当院では一次読影の結果もその場で説明しますので、何か異常所見が見つかれば、速やかに次の精密検査をご案内しております。
また、横浜市の乳がん検診では、触診は苦手という方も受けやすいように、触診なしでマンモグラフィの検査と判定を受けるコースもあります。
ご予約の際にはWebまたは電話による事前予約をお勧めいたします。事前予約をして頂くことで、スムーズに検診を受けて頂くことができます。
横浜市の乳がん検診は2年に1回しか受診できませんが、30代後半から60歳代前半までは乳がんの好発年齢となります。横浜市乳がん検診を活用しつつ、年1回の定期検診をお勧めいたします。