院長コラム
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横浜市の乳がん検診や、その他の検診でマンモグラフィーでの撮影を行います。
皆さんの中には、とても痛いというイメージをお持ちの方も多いと思います。
マンモグラフィは撮影の際に圧迫板で乳房を挟み、乳房を薄くして撮影します。
痛かったという話を聞くと不安になりますよね。
どのくらいの強さか、今回はお話しします。
【圧迫する意義】
その前に、なぜ乳房を圧迫して撮影したほうがいいのかという点ですが、乳房を圧迫して薄くすることで乳腺組織を広げてその重なりを減らします。乳房の重なりが減ると、乳房内に隠れていた病変が画像で検出しやすいからです。
さらに圧迫することで、放射線の被ばく量を軽減できるからです。圧迫された乳房の厚みが10㎜薄くなると、放射線の被ばく量が50%軽減されます。
【その強さはどのくらい?】と疑問が出てきますよね。
重さの表現は難しいのですが、
マンモグラフィの圧迫の強さは、100~120N(ニュートン)とい圧迫圧で撮影されています。
100~120Nとは、約10~12㎏の物による強さです。
イメージがわきにくいですよね。100Nの圧とは、およそ2L入りペットボトル5本分の
重さが撮影時にかかっていると思ってください。120Nでは6本です。
なんとなくイメージが湧いたかと思います。
それなりに重いですが、圧迫時間は1回あたり10秒以内のことがほとんどです。
緊張すると痛みも増します。技師さんを信頼してリラックスして受けてください。
撮影は全部で4回 (右乳房2回、左乳房2回)となります。
【マンモグラフィの有用性】
マンモグラフィは、石灰化で生じる早期の乳がんを発見したり、検診を継続することで、
乳がん全体の死亡率が低下することが統計で証明されています。また、撮影方法が定まっているので、過去との画像が比較しやすく、乳房内の変化を早期に発見できる利点があります。
【マンモグラフィを受ける時期】
一方、マンモグラフィでは個人差がありますが、痛みを強く感じる方もいます。
痛みの感じ方は、月経周期の時期でも多少は異なります。月経前の1週間ぐらいは、乳房の張りが強くなり痛みが増す可能性が高いですので、検診を受けられるなら乳房の張りが少ない時期の方が痛みを軽減させることができます。
また月経が始まってから5日~7日ぐらいは、妊娠している可能性が低いため安心して受診してもらえます。
乳がんの早期発見には有用性の高い検査ですので、あまり怖がらずに安心して受診をするようおすすめいたします。
大阪市立大学医学部卒業。
日本外科学会専門医、日本乳癌学会乳腺専門医、乳がん検診マンモグラフィ読影認定医、乳がん検診超音波検査実施・判定医、日本癌治療認定医機構癌治療認定医。